固定資産の棚卸の正確性を担保するには?不正を防ぎ、業務効率化も叶える方法
本記事では、バーコードやRFID、スマホアプリなどの最新技術を活用することで、固定資産棚卸の正確性を大幅に向上させる方法について解説します。
- この記事で分かること
-
- Excelや目視による棚卸からシステムを使ったラベルスキャンに移行することでヒューマンエラーがなくなる(人によるケアレスミスを改善できる)。
- 棚卸をシステム化してラベルスキャンによる棚卸にすることで不正を防止できる。
- 部門ごとの棚卸リストの作成・確認・転記などアナログで行っていた一連の作業をシステム化することで、経理担当者が楽になる 。
- 棚卸業務がスキャンで「読み取る」だけになるため現場担当者が楽になる。
目次
いい加減な固定資産の棚卸はなぜ起こる?
固定資産の棚卸は正確に行うことが何よりも大切です。しかし、正確に行おうとするとどうしても時間や人手がかかってしまいます。現場からすれば「そこまで多くのリソースを棚卸にかけられないよ」と言いたくなるかもしれませんが、経理担当としては「だからといって、いい加減にやっていいわけではないでしょ!」と反論したくなるのも事実。
実際に、現場がいい加減な棚卸をすることが多くて困っている経理担当者もいるかもしれません。 では、固定資産の棚卸現場ではどのような問題が起きているのでしょうか?
固定資産の棚卸現場で起こっている問題
棚卸の現場では以下のような問題がよく発生しており、こうした問題が起きていると、財務数値に大きな影響を与える可能性があります。
まず、ヒューマンエラーやいい加減な報告(不正)によって、資産の評価が歪められる問題があります。意図的かどうかにかかわらず、台帳の情報と現物の情報が一致しないまま報告してしまうのは絶対にNGです。
さらに、固定資産台帳の不備が原因で適切な棚卸ができず、正しい評価ができなくなることもあります。その結果、粉飾決算や固定資産税の虚偽申告につながるおそれがあるので、経理担当者としては何としても避けたいところです。
棚卸には正確性が求められるため、現場の管理意識を高め、徹底した報告体制を整えることが重要です。
Excelによる管理の限界
前述のような問題が発生していると、経理担当者は不正確なデータに基づいて業務を行うことになり、粉飾決算になりかねない状況が生まれます。現場のずさんな対応のせいで意図せず不正に加担してしまう、なんてことになってしまったらやりきれません。
そしてこのような問題は、「Excelによる管理」によって引き起こされることが多いのです。
Excelによる限界は主に2つあります。
① 現場からの嘘の報告(不正)を明確にできない
例えば、実際には棚卸を行っていないのに、「社内資産はちゃんと存在しています」と報告されるケースがあります。また、Excelファイルは誰でも比較的簡単に編集できるので、不正をしようと思っている従業員が数値を勝手にいじってしまうことも考えられます。
しかも、Excelは誰がいつ、どのようにデータを変更したかを追跡する機能が万全ではないので、犯人を探そうと思っても特定が難しいのです。
② 経理担当者の負担増加
固定資産管理システムでは組織に準じた棚卸の機能がほとんどなく、棚卸業務をサポートできていないケースがよくあります。そのため、Excelに出力して各現場に依頼することになり、依頼するまでの段取りや依頼後の取りまとめで経理には大変な負担がかかります。「これだけDXが大事と言われているのに、こうしたやり方はずいぶんとアナログで非効率的だな」と感じている担当者も多いかもしれません。 さらに、組織が大きくなるほど経理担当者の負担が増え、その結果ケアレスミスが起きてしまうことも問題です。
固定資産の棚卸の正確性を向上させる方法
では、固定資産の棚卸の正確性を向上させるにはどうすればいいのでしょうか?
代表的な方法はバーコードやQRコード、RFIDなどの導入です。各資産にラベルを貼り付け、それをスキャンして棚卸報告を行うことで、不正確な報告がなされるのを抑止でき、棚卸の正確性が飛躍的に向上します。実際にスキャンしたデータしかシステムに反映されないため、資産が正しく確認されたかを確実に把握できるというわけです。
また、バーコードリーダーやスマートフォンでラベルを読み取ることで、現場でのミスが減少しヒューマンエラーを削減できます。経理担当者が現場から受け取った報告を手作業で転記する際のエラーも防ぐこともできます。つまり、不正を防ぐ効果があるだけでなく、現場と経理担当者双方のミスも減らすことができるということです。
ラベルスキャン技術の導入は経理・現場の負担軽減にもつながる

バーコードやQRコード、RFIDなどのラベルスキャン技術の導入は、経理・現場双方の負担軽減にもつながります。
経理担当者が「楽になる」
部門ごとの棚卸リストの作成・確認・転記などをアナログ作業で行っていると、どうしてもミスが発生しますし、何よりも大量の入力や確認作業で担当者が忙殺されてしまいます。 ラベルスキャンに対応したシステムを導入すれば、一連の作業をシステム化することができるため、経理担当者の作業負担を軽減できます。
現場担当者が「楽になる」
Excelや目視による棚卸からラベルスキャンによる棚卸に変更することで、棚卸業務が「探してチェック」から「ラベルを読み取る」だけになるため、現場担当者の作業負担も軽減できます。スキャンでの棚卸は迅速に進むため、思わず「これまでの作業は何だったの?」と驚くほど効率が上がるかもしれません。
また、現場や経理担当者の負担を軽減できれば棚卸の時期の残業時間を減らすことができ、働き方改革にもつながるので是非とも導入したい方法です。
まとめ:ラベルスキャンの導入で固定資産棚卸の正確性を向上しよう
ご紹介したように、ラベルとスキャン技術を活用することで棚卸の正確性が飛躍的に向上するだけでなく、業務の効率化にもつながります。
アナログな方法で棚卸を行っていると、「日常業務で忙しいのに、ここまで細かく報告させるなんて、経理は鬼か⁉」と現場が不満を漏らしたり、「数字が合わなかったら正しい会計ができないから、ちゃんと棚卸をやってほしい!」と経理が厳しく指示したりと、関係がギクシャクしてしまうこともあるかもしれません。そんなとき、ラベルとスキャン技術で棚卸を正確かつスピーディーに行えるようになれば、両者の関係もきっと良くなるはずです。
いずれにしても、経理担当者と現場担当者のどちらにもメリットがあり、固定資産台帳の正確性がアップするので、会社全体にとってよい結果をもたらすことは間違いないでしょう。
この記事の監修者
古畑 剛(Furuhata Tsuyoshi)
代表取締役
株式会社アセットメントの代表取締役。 2013年10月の会社設立と共にサービスの提供を開始した「Assetment Neo」は、現在800社・80万人が導入している。